2023/08/22

ぐらり、と揺れる。

関係を絶った今、もう連絡なんて来ないと思っていた。あの人から連絡があるのはセックスしたいときだけで、それがなくなった今もう何もかもなくなってしまったと思っていた。が、体調を心配する連絡があり心がぐらついた。ほんのり好きだったんであろうあの時の気持ちを思い出す。

私の気持ちはセックスした男に対してほとんど平等に分配されている。関係を持った男のことはほんのりと好きになる。体だけじゃなく心まで軽くふわふわしている。

さて、あの人が訊ねてきたのは仕事のことであった。来月後半から復職となっているとのことである。そりゃあそうだろう。休職期間が来月半ばまでなのだから。だけれども仕事に戻れる気なんて全くしない。仕事のことを考えるとそこだけぽっかりと穴が空いたように何も考えられなくなり、喉が詰まり、死にたくなってしまう。死にそうになってしまう。もう戻りたくはない。

あの人は私の死にたい気持ち、死にたかった気持ちに自分が関与しているのではないかと危惧している。思い上がりである。男が絡んで自殺を図るほど脳みそまで軽くはない。一種の失礼にあたるのかもしれない。失礼であるとは伝えず、やんわりふんわり安心するよう言葉をかけ眠ることにする。